PNNDリーダーが国連の2018年核軍縮に関するサミット開催決定を歓迎する

国連総会は2018年5月14日—16日に核軍縮に関する国連ハイレベル会議を開くことを決定した。PNNDリーダーは各国政府に向けて同会議に出席することを求めていく。

 

北朝鮮とアメリカの緊張関係が核戦争の不安を再び煽っているなか、先週国連は各国代表者に、核兵器の危険を減らし核軍縮への道を強固なものとするためハイレベル会議(国連サミット)に参加することを要求した。

11月1日に国連総会第一委員会で採択された決議で、核軍縮のためのハイレベル会議の日時が決定、権限委託が固まった。2018年5月14日から16日にニューヨークの国連本部で行われるハイレベル会議の主な目標は、核兵器のリスク削減、核軍縮のための効果的な措置を前進させることである。

この決議は、核兵器保有国がすでに「核兵器の脅威を廃絶する」ための国際会議を開くことに合意してきたにも関わらず、今まで履行されてこなかったことを核保有国に対して再確認するよう促した。さらに、この決議は核兵器条約のさらなる発展を求めており、核兵器の禁止・廃絶のための段階的、確認可能なプロセスが核保有国を含めた国際的な合意のもと進められることを求めている。

PNNDリーダーが国連決議を歓迎する

OSCE代表のChristine Muttonen氏

「政治的な立場を超えたあらゆる議員が、自国の政府に対し核戦争の瀬戸際から一歩引き下がるよう求めてきた」と欧州安全保障協力機構議長兼PNNDの共同代表であるオーストリアのChristine Muttonen氏は述べた。「これには核兵器を決して最初に使わないこと、2018年の国連ハイレベル会議に参加して国連の核軍縮交渉を支援する政策をとっていくことも盛り込まれている。私達はこのきわめて重要なイニシアティブにおいて各国政府を支援してしていく用意がある」

フランス、ロシア、イギリス、アメリカその他52加盟国の議会を含む欧州安全保障協力機構(OSCE)は、2016年、2017年に声明を採択し、各国政府に核軍縮措置を取ることを要請している。

声明は具体的に「すべてのOSCE加盟国が2018年核軍縮のための国連のハイレベル会議に参加し、議員を使節団に連ね、核兵器のリスク削減・透明化・核軍縮を遂行するための措置を取ること」を求めている。

列国議会同盟名誉代表のSaber Chowdhury氏:2017年10月サンクト・ペテルブルクの列国議会同盟会合

「現在核兵器に使われている年間1000億ドルを超える人的・経済的資源は無駄使いであり、これは代わりに再生可能エネルギー支援や気候保護、そして持続可能な開発目標(SDG)遂行分野の雇用創出へと転換することが可能である」と列国議会同盟名誉代表兼PNND共同代表のSaber Chowdhury氏は述べた。「国連会議は、私たちが今まで核兵器に注ぎ込んできたこうした資源を共に再利用するための取り組みを前進させるための機会を提供するだろう」

PNNDは世界未来会議(World Future Council)や国際平和事務所(International Peace Bureau)と共に国際キャンペーン「核兵器のお金を動かそう」に参加し、核兵器に投資される資金を取り上げ、核軍縮と持続可能な開発目標との繋がりを明確にした。

「非核兵器保有国は核兵器禁止条約の採択にむけて既に主導的な役割を果たしてきた」とPNNDグローバル・コーディネーターのAlyn Ware氏は述べた。「わたしたちは、国連ハイレベル会議が終わるまでにこの条約の署名国が現在の53ヶ国から100 ヶ国に増えることを期待している。これは国際的な核軍縮に向けて強力な支えとなる」

PNNDと列国議会同盟(IPU)の国連平和・国際安全保障に関する常設委員会は10月16日にサンクト・ペテルブルクで行われた第137回IPU議会の特別会合で、各国議員に対し彼らの政府と協力して核兵器禁止条約に署名・批准し、国連ハイレベル会議を支援し「核兵器のない世界のため議員が行う行動計画」に沿った措置をとることを要求した。

IPU議会にてPNNDグローバル・コーディネーターのAlyn Ware氏とElayne Whyte Gomez氏(国連核兵器禁止条約交渉会議代表)

「9つの国が世界を核兵器による絶滅のリスクに晒し続けている」とPNND議会メンバーであり、ノーベル平和賞受賞者の世界サミットの事務局の国連代表部を務めるJonathan Granoff氏は述べた。「120もの非核保有国が核兵器を禁止するための条約の交渉に参加したのにも関わらず、核兵器を有する国々は何の行動もとらない膠着状態を続けている。今こそ各国の代表者がハイレベル会議に集まり、核の脅威を減らすための手段について話し合い、集団的・全世界的核兵器廃絶に向けて舵を切るべき時だ」

「核保有国は核兵器の貯蔵庫と、初めに核兵器を使用するという政策のために自国のみならず世界全体を一触即発の危機にさらしている」と核軍縮のためのスコットランド超党派団体共同議長兼PNND共同代表のBill Kidd議員は述べた。「これらの核兵器はイギリスによってスコットランドに配備されているものも含め、平和のための力となるより、むしろ私達を核戦争の標的へと陥れている。国連ハイレベル会議は核保有国政府に対して、核のない世界に安全に暮らしたいという私達の目標を実現するための機会を提供するだろう」

「ハイレベル会議はイギリスをはじめ他の核保有国に対して、核不拡散条約会議で合意されたのにも関わらず履行されてこなかった段階的な核軍縮措置が発展するための機会を与える」とイギリス貴族院議員でありPNND共同代表のBaroness Sue Miller氏は述べた。「今こそテレサ・メイ首相は2018年会議参加に向けて動き、会議で他の核兵器保有国の彼女の仲間とともに具体的な措置をとるべく働きかけていくべきだ」

英貴族院でBaroness Sue Miller議員

「核の傘の元にあるカナダのような国々は核兵器依存を減らし、効果的な軍縮措置を支援するための役割を果たすべきだ」とヴァングーバー・センター(カナダ)議会議員であり、PNNDカナダの共同議長で、OSCE議会性問題に関する特別代表を務めるHedy Fry議員は述べた。「国連のハイレベル会議はこれを行うための機会を提供する」

「ノルウェー、メキシコ、オーストリアが主催した核兵器の非人道的影響に関する一連の会議が示したのは、いかなる核兵器の使用も人的、環境的、経済的に世界中の街や人々に破滅的な影響を与えるということであった」と平和のための市長連合副代表兼PNNDノルウェーの、Thore Vestby氏はいう。「市民の安全に責任をもつ市長として、核軍縮を支援する動きに賛同する。また、2018年国連ハイレベル会議に他の議員や市民団体の代表者とともに出席する予定だ」

「沈黙を続けることや過去の見解を単に反復することは果たしてロシアやアメリカの巨大な核貯蔵、北朝鮮・イラン・パキスタンの緊張関係を解決することにつながるだろうか?」とGranoff氏は問いかけた。「今こそ各国の代表者がハイレベル会議に共に参加すべき時である。そして、すでに核不拡散条約に示されていたように核戦争を選択肢から外し、核兵器のない世界の実現に向けた交渉に従事していく義務がある」

アスタナで行われたPNNDの会合の議長を務める、PNND共同代表のBill Kidd議員 :その他Damen Masri上院議員(ヨルダン)、Saber Chowdhury議員、Alyn Ware氏、Jonathan Granoff氏、そしてDenise Pascal Allende議員(チリ)

元記事:http://www.pnnd.org/article/pnnd-leaders-welcome-un-decision-2018-summit-nuclear-disarmament

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