- 米印両国が進める原子力協力協定は、核不拡散条約(NPT)に加盟していないインドに対し、「例外的措置」として民生原子力分野での協力を可能にするものである。
- 日本政府は、45か国の原子力供給国グループ(NSG)の一員として、また、広島・長崎の惨禍を知り、核兵器廃絶の先頭に立つべき被爆国として、本件に関し重大な責任を有する。
- 次にあげる理由から、国際的な核軍縮・不拡散の進展を求める日本の超党派の国会議員として、この問題への深刻な懸念を表明するとともに、日本政府の真摯な対応を求める。
米印原子力協力協定は、NPTに基づく不拡散体制の根本的前提を崩す。NPTの外で核兵器保有を目指す道を容認することになる。
米印原子力協力協定は、インドにおける核兵器プログラムに制約を与えるものではない。協定には、核爆発実験再開に対する制約が明確でない。また、兵器用核分裂性物質の生産モラトリアムの要求やカットオフ条約に関する言及も含まれていない。結果としてインドの核軍備増強につながる可能性も否定できない。
インドを例外とする、原則のないNSGガイドラインの変更は、ガイドラインそのものの形骸化を引き起こす。NSGでの決定は「全会一致」方式であるから、日本政府の責任ある反対の意思表示が求められる。
平成20年5月
核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)・日本